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冬季オリンピック スノーボードハーフパイプ

文、写真:河上 竜平

 

冬季オリンピックがミラノコルティナで開催され、無事閉幕した。わたしが注目していたのはスノーボード男子ハーフパイプだ。エマがやっているバーチカルと似ているからではなく、エマが生まれる前からスノーボードのハーフパイプが好きなのだ。オリンピックはもちろん、Xゲームズでも見てきた。そして今、息子がスケートボードのバーチカルをしていることに、不思議な縁を感じる。

 

出場選手はすばらしい実績のある実力者ばかり。選手たちにとって、オリンピックはとりわけ大きな意味を持つ大会であることは間違いない。だからこそ、どのような戦いが繰り広げられ、どんなドラマがあるのか、とても楽しみにしていた。

 

ランの内容や結果についてはここでは割愛するが、とてつもない戦いだった。わたしは素人ながら、各選手がそれぞれの置かれている状況を考え、オリンピックという舞台で彼ら、彼女らがどう滑るのかを想像しながら観戦した。そして、そこに熱い思いと強い意思があると感じた。

 

ハーフパイプは、1回のランの中に5つのトリックを組み込んで表現する。出場者の年齢は幅広く、全員がトップクラスの実力者だが、その高いレベルでも差がある。例えば、トリプルコーク1440※という超高難易度のトリックでは、ある選手は習熟度・完成度・成功率が高いが、ある選手は低いといった差もある。ただすべての選手において、本番でトリックが100パーセント決まる保証はない。いくらふだんのメイク率が高くても、はずす可能性はある。だからこそ、メイク率が低くても、メダル獲得のためにリスクを背負って攻めるランを選択する選手もいる。

 

若手であれば、次のオリンピックもある。もしかすると、30代は今回が最後のオリンピックかもしれない。満身創痍の選手、前回のオリンピックで悔しい思いをした選手といったように、年齢や経験によっても考え方や思いが違う。それらすべてが、各選手のランに乗っているのだ。あたりまえなのかもしれないが、わたしはそのことを深く感じた。エマがスケートボードを始めてバートをやっていなければ、そこまで深く感じてはいなかっただろう。

 

スノーボードのハーフパイプは、トリックやルーティンが途方もない領域まで進化している。トップクラスの選手たちが自分をとことん追い込み、つねにリスクと隣り合わせの状況に挑んできた末に生まれたものだ。スノーボードのハーフパイプの練習を見たことはないが、バーチカルの練習を選手目線で毎日見ている。もちろん楽しくもあるのだが、「がんばる」や「努力」という言葉では片付けられないほど、フィジカル面もメンタル面も相当やられることを知っている。だからこそ、順位にかかわらず、各選手とサポートされている方々へは尊敬の念しかない。
本当にすばらしい大会を見せてくれた選手たちに感謝だ。

 

 

※ 空中で体の軸をずらしながら縦方向に3回ひねり、横方向に4回転するスノーボードの高難度トリック。現在のハーフパイプにおいて、トップ選手が挑む代表的な大技のひとつ。

ブログの内容とは関係ないが、最近できた定食屋あんぶれらに練習帰りによく行く。唐揚げ定食800円はありがたい

POSTED : 2026-03-10