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中国・北京に初めて行ってきた。2泊3日の弾丸スケジュールだ。中国のキッズスケーターがよく来日していることは前回のブログに書いたとおりだが、まさか自分たちが行くことになるとは思っていなかった。今回の目的は、イベントのデモへの参加だ。関西空港から北京までは約3時間のフライト。思ったより近い。ちなみに上海までは2時間半ぐらいだそうだ。

 

北京に行くにあたって調べているといろいろなことがわかったので、いくつか紹介させてもらう。まずひとつ、グーグルマップは正常に機能しない。海外に行く前はいつもグーグルマップで場所を調べるのだが、有名なスポットを除いては正確な位置が表示されないし、ストリートビューもない。有名な話かもしれないが、グーグル関連のサービスが規制されているのだ。代わりに百度地図(バイドゥマップ)を利用したが、けっきょく慣れないまま帰国した。

 

ふたつ目は、現金を使うことがほとんどない。事前にそのことを知っていたので、会計はカード決済だけでいいと思い、両替をせずに中国へ到着した。しかし、ホテルで飲み物を買うときに「クレジットカードも利用できない」と言われて困った。スマホ決済のみなのだ。スマホ決済の際に何を使うかというと、ウィーチャットだ。アリペイというサービスもあるが、わたしはウィーチャットとクレジットカードを結びつけてQRコード決済できるようにした。現地の人もほぼウィーチャットのQRコード決済で、現金やクレジットカードを直接利用することはないらしい。

 

上記のふたつは、これから中国に行く方々にかならず教えてあげたい。さらに、中国に到着して気づいたことがある。ほとんどのバイクが電動なのだ。ガソリンで走るバイクはほとんど見かけなかった。ただし、電動バイクは無音なため危険を感じた。そして、中国といえば大気汚染の影響で空がかすんでるイメージだったが、青空がきれいで日本と大差がないように感じた。マスクをしている人も少なかったので、大気汚染は劇的に改善されたのだろう。日本以上にEV車が走っていたので、相当な努力をしているのだと感じた。

 

初日の到着は夜だったので、合流したメンバーとともに歓迎会を兼ねた夕食会に参加した。いただいた牛肉と豚肉と羊肉のしゃぶしゃぶがとてもおいしく、エマもすっかり気に入った様子だった。食後は、地元のクルーに案内してもらいながら、北京の古い街並みのなかを1時間ほど徘徊した。アテンドしてくれた方が言っていたのだが、食事のあとに散歩するのが北京スタイルらしい。

 

2日目。昼ごろから、会場のトイパークに向かった。トイパークがあるのは、もともと工業団地だった場所。エリア全体が格好よくリノベーションしてあり、カフェや服屋さんなども立ち並ぶ。野球場ひとつ分ぐらいはありそうな広さで、若者が多く集まっている。また大きな公園が隣接しているため、ランニングやサイクリングをしている人たちも多かった。日本にもこんな場所があれば人気が出ることだろう。トイパークは2階がスケートパークになっているのだが、1階は店舗だ。スケートボードのほかにBMX、マウンテンバイク、サーフィン、スノーボード、釣具の店がそろっていて、とてもお洒落だった。

 

パークに入ると、ストリートエリア、ボウルエリア、バーチカルエリアに分かれていて、たくさんの人が滑っている。その多くがキッズで、わたしたちをとても歓迎してくれた。せっかく招待してもらったので、エマもすぐに滑り出した。「中国でエマは有名だよ」と多くの人に話しかけられて、とてもうれしかった。日本で友だちになった子もいて、言葉が通じないながらも、エマは周りの子たちと一緒にセッションしていた。

 

しばらくすると、デモの時間になった。一緒にデモをするメンバーとあいさつをしてから、それぞれのエリアでデモを行う。エマはバーチカル担当だ。決まりはなく、自由に滑ってよかったので、得意なトリックやコンビネーションを披露した。会場のみんなが盛り上がってくれて、エマもとても楽しかったようだ。

 

続いて、ローカルスケーターたちが参加するイベントが開催された。そこでエマたちは、ジャッジをすることになった。ジャッジをするのはもちろん初めてだ。とはいえ、ヤバいトリックを決めたり、場を盛り上げた人に賞金を随時渡していくというわかりやすい方式だったので、エマは楽しみながらジャッジをしていた。

 

次にサイン会だ。サインをする機会はたまにあるが、サイン会となると初めての経験。お客さんはあまり来ないかもしれないと思っていたが、始まると長蛇の列で、エマも驚いていた。おもしろかったことがある。オリンピック金メダリストの堀米雄斗選手が海外でサインを求められたとき、喜ばれるために漢字でサインをするという情報を聞いたエマは、自分のサインの下に漢字でフルネームを書くという新しいサインを生み出した。喜ばれるかもしれないが、ここは漢字を使用する中国だ。フルネーム入りバージョンじゃなくてよかった気もする。

 

サイン会終了後に自由時間があったので、ローカルキッズスケーターたちとセッションして遊んでいた。その間、飲み物やフルーツ、マクドナルドのハンバーガーなどいろんなものをみんなが差し入れてもらって、おもてなしがすごかった。ひとしきり滑り、新しくできた友だちと「またセッションしよう」と約束して会場をあとにした。

 

夜が近づき、イベントの主催者の方々とデモのメンバーで夕食の会場へと向かう。高層ビルのなかにある高級そうな中華料理レストランへと案内された。各国首相や世界的な大企業のCEOの写真やサインが店内に飾られている。少々、緊張した。個室へ案内されてまず驚いたのが、円卓のテーブルが自動だったのだ。社会人になったときに、ビジネスマナーとして中華料理の作法を学んだ記憶があるが、「自動の場合はどうなるんだ?」と考えてしまった。食卓についたメンバーは日本人、オーストラリア人、モロッコ人という組み合わせ。全員が一瞬とまどったが、陽気なモロッコ人のナシームが乾杯より先に「おいしそう!」と料理をとってくれたので助かった。

 

このレストランは北京ダックで有名なお店だという。スタッフが目の前で北京ダックを切りわけてくれる。わたしたちメンバー全員が初めての経験だった。本場の北京ダックはおいしいと聞いていたが、本当においしく、エマは何度もおかわりしていた。「また北京ダック食べたいから、連れてきてほしい」と言われたくらいだ。食事会は大盛り上がりで、2日目が終了した。

 

3日目にはもう帰国。昼前にチェックアウトして、北京空港へ向かった。こうしてあっという間に中国遠征が終了した。今回の中国・北京の旅はとてもおもしろかったし、いい経験となった。天安門広場や万里の長城などの観光名所には行けなかったが、あまり日本人が行かない場所ばかりを見ることができた。実際、空港以外の場所で日本人は見なかった。旅を経て、中国の友だちがたくさんできたエマ。彼らも「日本に行ってみたい」と言っていたので、今度は日本で一緒にスケボーをできればとても楽しいに違いない。

イベントにはたくさんのキッズが集まった。言葉が通じなくても物怖じせず、すぐに打ち解けてセッションできるエマの能力にはいつも驚かされる

初めてのサイン会も大成功。中国にエマのファンがたくさんいてくれてうれしかった

初日の夕食をいただいたのはこちら。日本人はなかなか来ないであろうローカルの料理店

夕食後に街をぶらぶらするのが北京流。たしかに夜の街を楽しく散歩している人が多かった

大気汚染をまったく感じさせない青空

マクドナルドにあるスマホ充電器は自転車式。ペダルを漕いで自家発電

北京ダックの有名店で会食。おかげでエマのお気に入りの料理に仲間入りした。中国では食事会がとても重視されていて、この日も豪勢な料理でもてなしていただいた。

会食後、新しい友だちと一緒に。このような機会を与えてくれた方々にとても感謝している

POSTED : 2025-05-30