
文、写真:河上 竜平
Xゲームズリーグ(以下、XGL)のサクラメント大会と千葉大会まで、あと約1か月。エマが専攻するバート競技はオリンピックに採用されていないので、XGLが最高峰の舞台であることは間違いない。出場する選手も世界トップの8名のみだ。あらためて、招待されていることを光栄に思う。
エマが3年前に初めて出場したXゲームズから、メンバーの半数以上が入れ替わっている。継続して出場することすら困難な大会なのだ。近年、若い選手の台頭が激しいことが大きな要因だと思う。競技である以上しかたないことだが、年齢が高い選手は、若い世代に負けないようにハードに自分を追い込むか、あきらめるかといった綱渡り状態であることが想像できる。本当に厳しい世界だ。
3年前と比較すると、エマの技術や技の精度、高さなど大きく成長した。レベルが上がるにつれて、当然ながら練習もハードになる。子どもは大人とくらべて怪我をしにくいと言われている。「体が小さいと回転しやすい」といったような子どもの身体的優位性を唱える人もいるが、わたしはそんな安易なものではないと考えている。
単純に考えて、子どもでも怪我のリスクはおおいにある。受ける衝撃は軽くても、衝撃に耐える身体能力が低い。また体はコンパクトだが、大人よりも筋力がないので回転するためのトルクが小さく、高さが出しにくい。そして、たとえ同じ高さを飛んだとしても体格差で低く見える。このように、大人の身体的優位性もあるのだ。
バート競技で勝つには、単純な軽さ勝負ではなく、技術、パワー(出力)、高さ、スピード、コントロール、経験など、複合的なレベルの高さが必要になる。だからこそ、トリックやルーティンに対して、それぞれの身体能力に応じて取り組まなければならない。
身体能力が異なることによって、それぞれの強みと弱みがある。そうしたなかで自分の体と向き合い、限界に挑戦しつづけていく。エマも、自分の体、技術力、恐怖心、プレッシャーと向き合いながら、一歩ずつ進んでいる最中だ。大会の滑りは一瞬だが、その一瞬のために積み重ねてきた膨大な時間と試行錯誤がある。
XGLという世界最高峰の舞台で、エマはどこまで挑戦できるのか。家族みんなで、その一瞬の滑りのためにサポートしつづけたい。

練習後のご褒美。最近ハマっている焼き鳥屋で黙々と食べる腹ペコのエマとヒイロ
POSTED : 2026-06-01