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フレイクカップ広島

ヒイロは、この春から小学3年生になった。もともとはエマの付き添いでスケートパークに通いはじめ、誰に教わるでもなく、ひとりで自由に滑っていた(もちろん「これだけはやるべき」という最低限のことだけは伝えていた)。しかし、気がつけば自然と上達していた。兄弟で同じジースケートパークで滑っているのだが、滑り方が違い、トリックのチョイスも異なるのがおもしろい。エマのあとを追っているのではなく、自分のスケートボードをしているのだ。

 

そんなヒイロが好きなのはミニランプ、そしてフレイクカップだ。昨年に初出場し、堺で行われた予選大会で入賞。ワイルドカードとして枠をもらい、今年1月に開催されたチャンピオンシップに出場することができた。

 

選手たちは、チャンピオンシップに出場するために、1年を通して各地で開催される大会で入賞を目指す。FLAKE CUPの人気は年々増し、競争も激しくなっている。エントリーすら大変な状況だ。受付開始から1〜2分で定員に達してしまうので、保護者もエントリーに全力を注いでいる。

 

今年も新シーズンが始まった。初戦は広島だ。この広島戦は全国から参戦できる大会であり、居住地の選手だけしか参加できない地方大会とは異なる。2027年1月に開催されるチャンピオンシップへの切符をここでいち早く手にして、安堵したい。そんな思いが強くなる大会だ。また通常の大会は制限時間45秒でルーティンを披露するが、こちらの大会は30秒の勝負だ。前回のチャンピオンシップが終わってから、ヒイロはこの大会に向けて自分でルーティンを考え、取り組んできた。

 

フレイクカップでは、「グリーンフル」と呼ばれる120センチの小さなランプが使用される。ホームのジースケートパークには120センチのランプはない。そのため、本番より大きなランプで練習してきた。

 

大会4日前には、ジースケートパークで練習したあとに、グリーンフルが3台置いてある相生市のMDPスケートパークへ向かった。往復3時間なのでなかなか大変だったが、ホームパークではフレイクカップを目指すキッズはいないので、ハイレベルなランプの滑りを見ることができ、とても刺激になった。ヒイロも、完璧とは言えないがグリーンフルに合わせることができた。

 

大会では、練習30秒2本、本番1本勝負という、ある意味オリンピックよりハードなレギュレーションで行われる。この1本にかけるために、キッズと保護者は多大な時間と費用を払う。涙あり笑いありの、とても小学生以下を対象としたものとは思えないレベルの大会だ。

 

わたしたちは試合前日から広島へ入り、会場近くに宿泊した。広島を訪れるのは初めてだ。路面電車が走り、いつもと違う雰囲気が楽しめた。ヒイロは午前中の滑走だったので、翌朝は早めに起床。会場にはスケートパークが隣接していて、ウォーミングアップができたのでよかった。

 

そして、ヒイロのヒートが来た。5人がランプへ上がり、滑走順に従って30秒ずつ練習を行う。選手はみんな緊張していた。ヒイロも緊張している。練習では、1本目も2本目もはずしてしまった。しかしヒイロにとっては、本番に合わせるための調整で想定範囲内。焦る様子はなかったので、ひと安心した。その後のヒイロは、本番でフルメイクすることだけに集中していた。名前が呼ばれ、スタートがコールされた。力むことも、あわてることもなく滑り出し、練習1本目ではずしたトリックもメイク。2本目にはずしたトリックもメイクし、あとは落ち着いて最後まで滑りきるだけ。ヒイロのペースは崩れることなく、ラストトリックもメイクして両手を突き上げた。

 

わたしたち家族も安堵した。エマの練習もあるなか、ヒイロが自分の時間を見つけては練習し、家でも大会のユーチューブやインスタグラムを見ていた姿を思い出し、とてもうれしかった。結果は5位入賞。チャンピオンシップのワイルドカードの切符をゲットした。

 

わたしたちは午後に会場をあとにし、夕方からジースケートパークでいつもどおり練習するために神戸へ戻った。ヒイロは帰りの車の中で、すでにチャンピオンシップのルーティンを考えていた。そして、その日のうちに練習を始めた。

本番直前、選手みんなが緊張している。ヒイロはプレッシャーを跳ねのけ、みごとチャンピオンシップにつないだ。次の大会ではどんな滑りを見せてくれるのか楽しみだ

戦争の悲惨さを伝える原爆ドーム。大会会場はここから徒歩5分の場所にあった

POSTED : 2026-05-11