

PLAYERS : MASAKI HARADA
原田 正規
MASAKI HARADA
Sリーグ第2戦26-27
Part 2
Sリーグ26-27マスターズプロ第2戦、北海道マスターズのラウンド1を快勝した原田。台風13号のうねりが続き、会場の浜厚真には翌朝もグッドウェイブがブレイクしていた。
文:髙橋 淳
写真:飯田 健二
晴れた空。クリーンな波
大会最終日の朝、浜厚真の空は晴れ渡っていた。前日まで競技の進行を妨げていた霧もなく、沖まではっきりと見渡せる。台風13号がもたらした南うねりは弱まりながらも残り、胸〜肩サイズの波がブレイクしていた。オフショア※1で海面も整っている。原田が次のラウンドに臨むには申し分のない朝となった。
午前6時に選手が集合した。残る33ヒートを行うため、この日もふたつのバンクで競技が進められる。マスターズの選手たちは、それぞれのバンクでラウンド2、ラウンド3を戦い、勝ち残った選手がメインバンクでのセミファイナルに臨む。
原田の出番は、朝一番のヒートだった。
※1 岸から海に向かって吹く風。風が海面を整えるのでサーフィンに適している。強すぎると波に乗りづらい。

夏の北海道の澄んだ景色。前日までの濃霧が嘘のように、すっきりと晴れた

クオリティの高いブレイクを見せる浜厚真。舞台は整った
早朝に戦うむずかしさ
朝イチのヒートには、独特のむずかしさがある。ほかの選手がどこで波を待ち、どんな波を選び、どう乗っているか。その日の海を知る手がかりがまだ少ない。もちろん岸から見定めてはいるものの、波を待つポジションや狙う波を、実際のコンディションにアジャストさせるのにも少し時間がかかる。しかも早朝は、体が十分に目覚めきっていないこともある。
原田はウェットスーツに着替えると、淡々とボードにワックスを塗る。いつもと変わらない準備を終え、ラウンド2へ向かった。

大会最終日、早朝からギャラリーが集まった

ライト、レフトともショルダーが張ったグッドウェイブがブレイク。浜厚真のポテンシャルは高い

千葉で切磋琢磨してきた九州出身の盟友、遠田真央と対戦。ヒート直前の緊張感が漂う
グッドウェイブでの熾烈な争い
ヒートは20分。対戦相手は遠田真央、海埜 士、舟橋大吾という実力者ぞろい。口火を切ったのは遠田だった。ミドルスコアの5.83※2。海埜もきわどいセクションをなんとかメイクし、3.83。さらに遠田はリップをクリーンにヒットし、6.33をマーク。序盤からスコアをそろえていく。その間、原田はまだ波に乗れていない。
残り13分、ようやく原田がセットをつかむ。しかし、波はいっきに崩れるダンパー※3。得点は0.40。舟橋は鋭いワンアクションで5.00を出し、2位につける。原田は追いかける展開となった。
原田はバックサイドでスピードに乗ると、流れるようなフローターをメイク。会場がどよめくライディングだったが、スコアは4.33にとどまった。いっぽう、舟橋はきわどいフィニッシュを決めて7.17。遠田をかわし、トップに立った。
遠田が4.90、海埜が2.77を出すなか、原田も4.93をマーク。合計9.26で3位につけるが、2位の遠田を逆転するには7.23が必要だ。舟橋がリッピングを繰り出しながらロングライドして7.83を出し、リードを広げる。プライオリティ※4は原田にある。この日の波なら、原田の爆発力をもってすれば逆転は可能だ。
残り1分。原田はセットを待つ。
残り10秒、沖からセットが入ってきた。しかし、波は待っていたポジションからずれた場所へ向かう。間に合わない。最後のチャンスをつかめないまま時間が尽き、原田は3位でヒートを終えた。●
※2 ライディング1本の最高得点は10点。Sリーグの大会ではヒート中のベスト2スコアの合計点で勝敗が決まる。
※3 いっきに崩れる波のこと。乗れるセクションが少なく、基本的にはサーフィンに適さない。
※4 ヒート中、それぞれの選手に順番に与えられる優先権。ヒート開始直後のプライオリティ(優先権)が誰にもない状態で、最初に波に乗ったサーファーからプライオリティの順位がいちばん低くなる。その後、次のサーファーが乗るとプライオリティの順位が繰り上がっていく。

ヒートを勝ち抜けられなかったものの、スタイル、パワー、スピード、フローを兼ね備えた原田のサーフィンは会場を沸かせた

ヒート終了のホーンが鳴り、岸へ向かう原田。サーフィンが調子いいだけに悔しさが募る

海から上がり、同じヒートを戦った宮崎の海埜と健闘を讃え合う。「ウェットスーツが噛み合わなかった。北海道だからって、8月なのに真冬用の起毛素材の着ちゃったから。サーフィンは調子いいから、必要なのはそことは別のコミットする部分」と原田は大会後に振り返った

優勝は林 順和、準優勝は河野正和、3位は遠田真央、4位は関谷利博という結果で幕を閉じた北海道マスターズ

左から東川泰明、遠田真央、原田、関谷利博。それぞれに抱えるものがありながらもサーフィンを追求する戦友との笑顔のひととき
POSTED : 2026-09-25